今回は母乳育児でのトラブルや悩み事で多い「母乳がでない・乳腺炎への対処法」のお話です。
生後1、2ヶ月頃で母乳育児が軌道にのる前には「うまくいかない。吸ってくれない」と悩むケースが多く、かくゆう私もその一人でした。思うように吸って貰えないと乳腺炎にも繋がってしまいます。
ママの体質に依るところもあるかもしれませんが、自身が実践して良かったポイントと乳腺炎の予防と対処法についてご紹介します。
パッと読むための目次
「授乳慣れ」までは授乳便利グッズを多用する
「時間が解決する」といってしまうと、元も子もないのですが、私が体感したのは「赤ちゃんの吸うチカラが大きくなるのにもママが上手な授乳に慣れるのにもある程度の時間が必要」だということでした。
個人差はあると思いますが、私は1ヵ月ほどで授乳スタイルや体制のコツなどがなんとなくわかりました。
そのタイミングにいたるまでに授乳の仕方や体制を変えてみたり、便利なグッズを使ったりすることで、いつしか母乳育児がうまく軌道にのっているのに気付きます。
うまく吸えない3つのケース
娘に授乳している際に「なぜうまく吸ってくれないんだろう・・・」とボーっと考えながら授乳をすることが多かったです。
産院で「授乳指導」を受けてからスッキリと解決したので、うまく吸えない3つのケースについてご紹介します。
なお、赤ちゃんは「吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)」によって産まれながらにしておっぱいを吸うことができるのだそうです。生命の神秘を感じます、すごいですよね。
●多くの場合はママの乳首の位置と赤ちゃんの口の位置とがうまく合っていないケース
●ママの乳首が硬かったり陥没や扁平乳首で、赤ちゃんが吸い付きにくいケース
●ミルク混合育児をしている場合、赤ちゃんが乳頭混乱を起こしてしまい、赤ちゃんが吸い方に迷ってしまうケース
多くの場合は、1点目の「位置がうまく合っていないケース」とのことでした。
これらのケースに自分がどれに当てはまるのかを知り、それぞれに合った具体的な対処方法を取ることが一番です。
具体的な対処方法・お役立ちグッズ
上記でご紹介した3つのケースでそれぞれの対処方法をみていきます。
①ママの乳首の位置と赤ちゃんの口の位置とがうまく合っていない
「泣いて飲んでくれない」と焦るとますますテンパッてしまうので、ひとまずは赤ちゃんが落ち着けるようにそっと胸に引き寄せる感じで抱っこしてみましょう。
赤ちゃんのお腹とママのお腹を合わせるようにしっかりと支えて安定させてから、赤ちゃんの舌のうえに乳首がまっすぐ乗るように含ませてみましょう。
また、一度、ご主人やお母さんに授乳姿勢を確認してもらうのもおすすめです。
私は座高が高い残念なスタイルなのか、市販の授乳クッションだけでは高さが足りずに背中を丸めた体制で授乳していたようです。「体制が悪いんじゃない?」と母親に指摘されてから、授乳クッションの下にバスタオルを丸めて高さを調整したことでとても楽になりました。
直接赤ちゃんの肌も触れるので、肌触りがいいものがおすすめです。また、安価なものだとすぐにペシャンコになりがちなので、汎発性が高い点も購入時は比較検討しました。 授乳クッションは新生児期から体格が大きくなる1歳頃まで意外と長い期間重宝できました。なお、授乳期間中以外にも、輪っかの間にすっぽりと入れ込み寝かせておく際の簡易なベッドアイテムとしても活用できます。
②ママの乳首形状により赤ちゃんが吸い付きにくい
乳首の形状が育児書にでてくるような理想モデルと違う場合、赤ちゃんの吸う力が小さく慣れていない間はうまく授乳することが難しいかもしれません。私自身、片方が陥没乳頭なので苦労しました。
妊娠中から乳頭吸引器などでケアをしていればよかったのですが、お腹が張りやすく早産の恐れがあるのでできませんでした。
でも、世の中には便利なものがあるんですね。ニップルシールドという乳頭保護具を使ってうまく授乳できるようになりました。
メデラ コンタクトニップルシールド Mサイズ(20mm)(2コ入)
私が使ったものは「メデラニップルシールド」です。乳頭を保護しつつも赤ちゃんが母乳の匂いを嗅ぎながら咥えるのに適した波型のカッティングになっています。使い始めはすこし硬いかな?と思いましたが使い込むうちに柔らかく、フィット感もよくなりました。悩まれている方にはぜひおすすめです。
③赤ちゃんが乳頭混乱を起こして吸い方に迷う
混合栄養で育てている場合に起こりやすいようです。母乳の吸い方と哺乳瓶の吸い方とが全く異なるので、赤ちゃんが吸い方に迷ってしまう状態です。哺乳瓶の吸い 方に慣れてしまい、乳首をうまく吸えなくなってしまっている可能性があるので、時間がかかるかもしれませんが乳首での吸い方に慣れるまで待ってみましょう。
乳腺炎対策は初期症状を掴むのが重要
母乳育児が軌道に乗り始めると、母乳の量も自然と増えてきます。
赤ちゃんとママの母乳量のバランスが合えばいいのですが、母乳分泌過多などから乳腺炎に繋がることが多いです。「乳腺炎は初期症状を掴むのが重要」と何度もお世話になった産院で教えられたので、自分なりに予防をしていましたのでご紹介します。
乳腺炎には「急性うっ滞性乳腺炎」と「化膿性乳腺炎」の2つがあり、万が一、乳腺炎かも、という状態になった場合は自分がどちらのタイプの乳腺炎であるのか確認する必要がでてきます。
急性うっ滞性乳腺炎と化膿性乳腺炎
- 「急性うっ滞性乳腺炎」は乳腺がつまり母乳が出なくなってしまうことで、乳房にしこりができ赤みや痛みを伴います。
- 「化膿性乳腺炎」は「急性うっ滞性乳腺炎」を悪化させると古い母乳が乳房のなかで腐ったり、乳頭の傷口からバイ菌が入ることで化膿します。うっ滞性乳腺炎と同様に赤み・痛みや、頭痛・寒気を伴う高熱がでます。
乳腺炎は、水道管に汚れがたまってしまい水が吐き出されずマンホールの蓋がカタカタ浮き上がりそう、そんなイメージでしょうか。 症状としてはおっぱいに痛みを伴うしこりができたり、半透明の白い色ではなく黄色っぽい母乳がでます。悪化すると痛みや関節痛、発熱の症状が現れます。
乳腺炎予防ケア:悪化させないために
「乳腺を詰まらせないといいんでしょ」と思われた方、そうなんです。
脂肪分が多い食事や姿勢が悪いために胸部を圧迫していたり、母乳の飲ませ方や時間・間隔にバラつきがあると乳腺が詰まりやすくなります。なるべくは和食中心でストレッチなどで適度に身体をほぐすことで予防しましょう。
また、「あれ・・・、なんとなく痛い」と、乳腺炎の初期症状を少しでも感じた場合は悪化させないようにセルフケアをしつつも、お近くの「母乳外来」に相談しましょう。早めはやめの対処をおすすめします。
悪化させないためのセルフケア
産婦人科で教わったセルフケアについてご紹介します。
●あっさりした粗食にして、お風呂は湯船に浸からず胸部を温めないようにする
とにもかくにも「赤ちゃんにとにもかくにも吸ってもらう」ことを何度も繰り返して言われました、汗。痛みが強かったりシコリがある箇所を横抱き・縦抱き・フットボール抱き で吸ってもらうのが一番の解決策なのだそう。
また、お風呂で温めすぎてしまうのもNGとのことです。疲れを取りたいけれども長風呂や深い湯船につかり過ぎないなどの調整が必要です。
まとめ
自分でできる対処方法を中心にお伝えしました。ママも赤ちゃんもお互いが慣れるまですこし時間はかかってしまうと、ママが疲れてしまったり不安からストレスを感じてしまうかもしれません。
また、母乳育児が順調になってくると母乳の分泌量がふえます。赤ちゃんの飲む量と母乳分泌量とがうまくバランスがとれればいのですが、そこは人間の身体。機械のようにキッチリとはいきませんよね。少しでも乳腺炎の症状を感じたらセルフケアをいち早くされることをおすすめします。
痛みで辛い思いをされているママにとって、少しでもお役立てできるとうれしいです。一人で悩まれたり、我慢しすぎたりせずに楽にいきましょう。